インプラントの構造
インプラント体(人工歯根)
歯の根に相当する部分のインプラントの部品です。円錐形で骨と結合しやすくなるようデザインされています。長さは9ミリから19ミリまであり、太さは3.5ミリから5.0ミリまであり、顎の骨の状態に合わせてインプラント体を選択します。
アバットメント(支台)
インプラント体と人工の歯冠をつなげるための部品です。アバットメントがあることで、人工の歯が歯肉から生えているように見せることができます。
人工の歯冠
歯肉から出ている部分です。人工歯の素材はセラミックなどいくつかあり、審美性や機能性によって選択することが可能です。アバットメントとの連結方法は、ネジ止め式とセメント合着式があります。
メーカー | 解説 | 表面性状 | 手術回数 | 治療期間 |
I. T. I | 25年の歴史を持つインプラントで骨との接触が一番良好。日本人の顎に適しているが、前歯部には向いていない。治療費がブローネマルクより安く、適応も広い。インプラント体が短く、組織の損傷が少ない。 | S. L. A T. P. S |
1回又は2回 主に1回 |
上下顎にかかわらず最短で6ヶ月。通常3~4ヶ月 |
ブローネマルク | 30年の歴史を持つ世界で一番信用されているインプラントだが、治療が長く、コストが高い。インプラント体が長く、組織の損傷の可能性が高い。骨の厚み、高さがあればどんな難症例もこなせる。 | 機械研摩 Ti Unite |
基本的に2回 | 下顎は3ヶ月 上顎は6ヶ月 (最新のものは3ヶ月) |
アストラ | 歴史は浅いがブローネマルクの欠点を補って作られたもの。骨植の良い前歯部に適している。 | Tio ブラスト表面 | 基本的に2回 | 下顎3ヶ月 上顎6ヶ月 |
カルシテックHAコーティング | 1984年に開発。ブローネマルクなどとは上顎の成功率がやや劣るが、是を下顎と同等の成功率まで持ってゆける。 | HAプラズマコーティング | ||
POIインプラント | FINAFIX INATITE | 2回 | ||
アンキロス | 1987年より臨床活用されている。骨密度の低い所でも良好なオッセオインテグレーションがおこる。またマイクロギャップがなく、上下の成功率に差がない。 | 2回 | 下顎3ヶ月 上顎3ヶ月 |
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3I | ||||
ステリオス | 2回 |
現在の主流はフィクスチャーの部分がシリンダータイプのものです。日本を含めたインプラントの先進国の99%はこのシリンダータイプでしょう。全てをネジのような螺旋の構造にすることにより各コンポーネンツがシンプルになり、人に対する外科的侵襲も少なく出来ます。また、歯根に近い形態の付与により、より審美的に優れた上部構造を作製できるようになりました。
シリンダータイプ
より天然の歯根の形態に近く、1歯1歯に補綴(歯の形の被せ物)ができます。シリンダータイプとは、フィクスチャーが円柱または円錐形です。
ブレードタイプ
フィクスチャー部分が板状のチタン合金
フィクスチャーとアバットメントが2パートに分かれているタイプ
・フィクスチャーとアバットメントをネジで接合させるものです。
・1回法にも2回法の手術法にも対応できます。
・ネジでアバットメントを外すことが出来るので、手術をしなくてもインプラント補綴物を取り外す
ことができます。これは高齢化などでオーラルケアが出来なくなってしまった場合に重要なことです。
・アバットメントコンポーネントが豊富なため、審美性に優れています。
フィクスチャーが単身でアバットメントも兼ねるタイプ
・1回法しか対応できません。
・上部構造を取り外す場合には、手術が必要なケースが予想されます。
・構造が単純なため、廉価です。